聴診器と歯の模型

入れ歯にも種類があるって知ってた?

10代や20代の若い頃には、まさか自分が入れ歯のお世話になるとは思いもよらないものです。
しかし、年齢を重ねるにつれ身体のあちこちがおかしくなってくるように、歯や歯茎も少しずつダメージを受けていき、いつかは自分の歯を失ってしまいます。
日本人の平均寿命は男女ともに80歳を超えていますが、80歳以上の実に6割近い人が総入れ歯となっています。
そのため、若い頃からできるだけ自分の歯を残せるようにデンタルケアに務めるとともに、入れ歯についての知識を身に着けておくことが大切です。

入れ歯は、大きく分けて部分入れ歯と総入れ歯に分けることができます。
部分入れ歯は、何本かの失われた歯を保管するために、残った歯を支えにして装着します。
クラスプとよばれる金属製の骨組みの上に、義樹脂製の義歯床を配置し、さらにその上に人口歯を乗せる構造です。
総入れ歯は、上顎の歯または下顎の歯すべてを失ったときに使用する入れ歯です。
こちらも同じように、金属製のクラスプが骨組みとなっていて、それを樹脂製の義歯床が覆っています。
保険適用の入れ歯は、レジン床という樹脂製の義歯床となっているのが特徴です。

レジン床は価格が安いのがメリットですが、熱伝導率が低いので、食べ物の熱さや冷たさがわかりにくいのが欠点とされています。
食べ物の温度がわかりにくいと、口の中を火傷してしまうことがあります。
また、味覚にも影響がでてくるので、食事が楽しめなくなるなどの弊害もあります。

保険適用の部分入れ歯や総入れ歯は、目立ってしまうのが欠点です。
残っている歯に金属製バネを引っ掛けることにより、入れ歯を固定しているので、口を開けたときにバネが見えてしまいます。
恥ずかしくて口を開けて笑うことを避ける人までいるほど、患者にとっては深刻な問題です。

しかし、バルプラストデンチャーやウェルデンツのように、バネを必要としない部分入れ歯もあります。
バルプラストデンチャーやウェルデンツはバネが不要なため、装着していることを周囲の人に気づかれる心配がありません。

シリコンデンチャーもまた、周囲にバレにくい部分入れ歯です。
シリコンデンチャーは、その名前からもわかるように、義歯床のほぼすべてがシリコンで作られています。
シリコンは樹脂よりも柔らかいので強度が不足するため、義歯床の素材としては不向きとされていました。
しかし、技術革新により十分実用に耐えうる強度のシリコンが開発され、シリコンデンチャーが普及するようになりました。

新しい素材や技術を使用した入れ歯は保険適用されないため、作るのにお金がかかってしまいますが、見た目や使いやすさは段違いです。
今後、普及が進むにしたがって、コストも低下することが予想されるので、ますます新素材・新技術で作られた入れ歯が身近なものになっていくことでしょう。